Windows Server 2022インストール方法

Hyper-Vの仮想環境へWindows Server 2022インストール方法を記載しています。

ここでは、「Hyper-Vの仮想環境」へインストールしていますが、基本的にオンプレへのインストールも同様です。サーバー機器のDVD-ROMやUSBなどを使用してインストールメディアをセットするだけとなります。

「Windows Server 2022」概要

「Windows Server 2022」は、WindowsサーバーOSシリーズ中の「Windows Server 2016」や「Windows Server 2019」の後継OSとしての位置づけのOSです。「Window Server 2019」から「Windows Server 2022」へのバージョンアップにおける機能追加はあまり多くはなく主な機能は「Windows Server 2019」を踏襲しています。

セキュリティ機能は、Windows10/11において、セキュアコアPC(Secured-Core PC)と呼ばれるセキュリティ機能を強化してきました。このセキュリティコアPCではDRTM(Dynamic Root of Trust for Measurement)によるOSブートのセキュリティ保護やダイレクトメモリアクセス(DMA)保護機能を用いたドライバーのメモリアクセス分離など、従来のウィルス対策機能では検出が難しかった攻撃に対しての保護強化しています。

セキュアコアサーバーでは、TPM2.0(Trusted Platform Module 2.0)による起動時のパスワードやBitLockerドライブ暗号化パスワードの保護、仮想ベースのセキュリティ保護を用いたメモリ保護、攻撃者がシステムを悪用するのによく用いる経路を積極的に防御する「予防的防御機能」などデータ保護をしています。

ネットワークセキュリティ機能面では、IISにおいて最新のセキュリティプロトコルTLS(Transport Layer Security)1.3が新たにサポートされました。このほかに、DNSサービスのセキュリティ強化するSecureDNS、ファイル共有のSMB(ServerMessageBlock)プロトコルにおいてのAES-256暗号化もサポートされています。

従来のTCPに代わるQUICプロトコルを用いてSMB通信を行う「SMB over QUIC」をサポートし、TLS1.3と組み合わせることでクラウド上のサーバーとモバイルユーザー間で信頼性が高いファイル共有を行うことができます。VPNを使用しなくても会社と在宅勤務者などと安全にファイル共有ができます。

「Windows Server 2022 Datacenter:Azure Edition」では、Azureの新たな管理機能として「ホットパッチ」機能をサポートしています。更新ファイルを適用するために機能で、サーバーの再起動が不要になりました。

コンテナー機能では、「Windows Server 2022」において、アプリケーションを含むコンテナーを容易に展開・管理できる「Kubernetes」システムをサポートするようになりました。また、従来のコンテナーサイズに比べて「Windows Server 2022」は40%削減され起動が高速化されています。

記憶域の管理では、「Windows Server 2022」において、「記録域バスキャッシュ」と呼ばれる機能が追加されています。データ記憶領域は安価な大容量HDDで構成し高速SSDはキャッシュ領域として使用する高速かつ安価な大容量のストレージが構成できます。

「Windows Server 2022」ハードウェア要件

WindowsServerをインストールする最小のハードウェア要件。「Windows Server 2022」以前と変更は基本的にはありません。

プロセッサ1.4 GHz の64 ビット プロセッサ
x64 命令セット対応
NX と DEP のサポート
CMPXCHG16b、LAHF/SAHF、および PrefetchW のサポート
SLAT(Second Level Address Translation)をサポート
メモリ512 MB 以上
ECC (誤り訂正符号) 型または同様のテクノロジ (物理的なホストの展開の場合)
ディスク領域

最小:32GB

デスクトップエクスペリエンス(GUI)を使用する場合は+4GB必要になる。※パラレルATA(ATA/PATA/IDE/EIDE)はサポートしない

ネットワーク

最小:

PCI-Express接続で1Gbps以上

PXE(ブート前実行環境)をサポート

その他

セキュアブートをサポートするUEFI2.3.1cベースのシステム

TRM(Trusted Platform Module)2.0

DVD-ROMドライブ/SVGA(1024×768)以上のディスプレイ/キーボード/マウス/インターネットアクセス可能な環境

「Windows Server 2022」の機能のひとつで「入れ子になった仮想マシン」は、2019まではインテル社製のプロセッサに限られていましたが、2022からはAMD社製のプロセッサにも対応しました。
また、仮想化機能では「SLAT(Second Level Address Translation)」機能のサポートが求められています。64ビット対応CPUであっても、Core2プロセッサ等古いCPUではサポートしておりません。

推奨スペック

項目要件
プロセッサ(CPU)1.6GHz/8コア以上の64ビットプロセッサ
メモリ16GB以上
HDD500GB以上
ネットワークPCI-Express接続で1Gbpsのおの、2ポート以上
必要デバイスセキュアブートをサポートしているUEFI2.3.1cベースのシステム
TPM(Trusted Platform Module)2.0
その他は最小システム要件に準じる

「Windows Server 2022」エディション違い

エディション説明
Windows Server 2022 DatacenterWindows Server 2022 の全機能が提供されています。無制限の仮想環境を使用できる。
高度に仮想化されたデータセンター及びクラウド環境向けのエディション
Windows Server 2022 Standard大規模クラウドプラットフォーム向けの一部の機能を制限した、物理環境向けまたは最小限の仮想化が行われた環境向けエディション
Windows Server 2022 Essentialsユーザー数が25名以内でかつデバイスが50個以内の小規模環境向けのエディション。
ソフトウェア単体のパッケージは存在せず、サーバーハードウェアとセットで販売される。
Windows Server 2022 Datacenter: Azure Editionマイクロソフトのクラウドサービス「Azure」上でのみ利用できるエディション。機能はほぼDatacenterと同様。

Windows2022各エディションの比較

Hyper-Vに仮想マシンの作成

Hyper-Vマネージャーを起動し操作欄から起動(❶)をクリックし仮想マシン(❷)を選択します。

仮想マシンの作成説明図

「仮想マシンの新規作成ウィザード」が表示されたら、次へボタンを選択します

「名前と場所の指定」画面で仮想マシンの名前を入力します。ここでは「Windows Server 2022」と入力しています。仮想マシンの保存先を別のドライブにする場合は、「仮想マシンを別の場所に格納する」をチェックし、参照から保存先を選択します。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」画面で仮想マシンの世代を選択します。「Windows Server 2022」ではUEFIベースのファームウェアが対応しているため、「第2世代」を選択します。また、第1世代を選択してもインストールは正常にされます。

UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)とは

マイクロソフトからWindowsの次期バージョン(コードネーム:Windows 8)では、このUEFIに標準対応することがマイクロソフトから表明している。BIOS起動と比較してメリットとしては、2.2TBを超えるドライブを1ドライブとして管理できること。(最大:9.4ZB(ゼタバイト))

OS起動時のセキュリティ向上をさせる機能セキュアブートに対応し、OSを高速に起動することができること。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」の「メモリの割り当て」画面でメモリを指定します。適切な値を指定します。検証や開発であれば2GB程度で問題ないでしょう。扱うデータが多い場合は4GB~6GBなど大きなメモリ容量を指定します。

また、開発用途や検証用とであれば「この仮想マシンに動的メモリを使用します」にチェックを入れておいた方がよいでしょう。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」の「ネットワークの構成」画面で、「外部ネットワーク仮想スィッチ」を指定します。外部ネットワーク仮想スィッチが無い場合は新たに作成する必要があります。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」の「仮想ハードディスクの接続」画面で仮想ハードディスクに関する設定をします。仮想ハードディスクを作成する場所と名前とサイズを指定します。特に変更がない場合はデフォルトで問題ありません。

ただし、サイズ関しては空き容量が指定されているので、適切なサイズに変更します。ここでは、「Windows Server 2022」の最低要件が32GBなので、データベースをインストールすることも考慮して、50GB程度に指定しています。

「仮想マシンの新規作成ウィザード」の「インストールオプション」画面からダウンロードしたISOイメージを選択します。

ISOイメージを指定したら、次へボタンをクリックします。

インストールするためのメディアを指定します。後から指定することが可能です。ここでは「Windows Server 2022評価版」のisoファイルを指定しています。

「Windows Server 2022」評価版は、こちらのサイトから評価版をダウンロードすることができます。

評価版は、後から正式なライセンスを購入しプロダクトキーを入力することで、評価版インストール後に製品版として使用することができます。

「仮想マシンの新規作成ウィザードの完了」画面が表示されたら、完了ボタンをクリックします。

仮想マシンの新規作成ウィザードの完了画面

「Hyper-Vマネージャー」から作成した仮想マシンを右クリックし、起動を選択します。

Hyper-Vマネージャー起動

「Windows Server 2022」の仮想マシンを右クリックし接続を選択します。

接続

インストール方法

「Press any key to boot from CD or DVD ・・・」と表示されたらEnterキーを押します。時間経過するとハードディスクから起動してしまうので、素早くEnterキーを押します。

WindowsServer2022起動画面

下記の画面もしくは、「Press any key to boot from CD or DVD ・・・」に間に合わなかった場合は、メニューバーにある「操作」→「リセット」を押します。

WindowsServer2022起動画面

Windowsセットアップ画面が表示されたら、次ボタンをクリックします。

WindowsServer2022 システムセットアップ画面

「今すぐインストール」ボタンをクリックします。

WindowsServer2022 インストール画面

インストールするオペレーティングシステムを選択します。ここでは、「Windows Server 2022 Standard Evaluation(デスクトップエクスペリエンス)」を選択します。

WindowsServer2022 インストールするオペレーティングシステムの種類 選択画面

デスクトップエクスペリエンスは、一般的なウィンドウズの画面で操作するタイプです。WindowsServer2022 Standard Evaluationはコンソールで操作するタイプです。Linuxサーバーに近い操作感です。

「適用される通知とライセンス条項」画面

WindowsServer2022 適用される通知とライセンス条項画面

同意しますにチェックし、次へボタンを押します。

インストールの種類を選んでください。

WindowsServer2022 インストールの種類

クリーンインストールする場合は、「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)」を選択します。

Windowsのインストール場所を選んでください。

WindowsServer2022 インストール先の指定画面

割り当てされていないドライブを選択し「次へ」ボタンをクリックします。新規ボタンでパーティションやフォーマットなどもできますが、特にしなくてもインストールすることができます。もし、すでに割り当てされているパーティションやフォーマットがある場合は、削除及びフォーマットをします。

Windowsをインストールしています」が表示されます。

WindowsServer2022 インストール中画面

設定のカスタイマイズ画面で、管理者(Administrator)のパスワードを入力します。

WindowsServer2022 設定のカスタイマイズ

Administrator(管理者)のパスワードを入力します。パスワードは、セキュリティーポリシー要件を満たす必要があります。

パスワードは、次のカテゴリのうち 3 つに該当する文字を含んでいる必要があります。

  • ヨーロッパ言語の大文字 (A – Z、識別記号を含む、ギリシャ文字、キリル文字)
  • ヨーロッパ言語の小文字 (a – z、シャープ s、識別記号を含む、ギリシャ文字、キリル文字)
  • 10 進法の数字 (0 – 9)
  • 英数字以外の文字 (特殊文字): (~!@#$%^&*_-+=`|\(){}[]:;”‘<>,.?/) ユーロや英国ポンドなどの通貨記号は、このポリシー設定の特殊文字としてカウントされません。
  • 英数字以外の文字 (特殊文字): (~!@#$%^&*_-+=`|\(){}[]:;”‘<>,.?/) ユーロや英国ポンドなどの通貨記号は、このポリシー設定の特殊文字としてカウントされません。

インストールが終了するとログイン画面が表示されますので、先ほど入力した管理者パスワードでログインします。

WindowsServer2022 ログイン画面

ログイン後の画面

WindowsServer2022 インストール直後の画面

初期設定

ここでは、よくある「Windows Server」のインストール後の初期設定について記載します。

コンピュータ名の変更

コンピュータ名を識別しやすい名前に変更します。サーバーマネージャーが表示されるので、ダッシュボード欄からローカルサーバーをクリックします。

コンピュータ名をクリックします。

サーバーマネージャー

システムのプロパティが表示されるので、「変更ボタン」をクリックします。

コンピュータ名欄に任意のサーバー名を入力します。ここでは「ws2022-sv」にしています。ワークグループも任意のもの及びすでにワークグループがある場合は、指定することができます。

OKボタンを押していくと、再起動を求められますので「今すぐ再起動する」ボタンを押下して、再起動します。

IPアドレスの設定(ipv4)

サーバーマネージャーのダッシュボード欄からローカルサーバーをクリックします。

最初は、DHCPに指定されています。サーバー用途でDHCPは使用しないので固定IPに変更します。「IPv4アドレス(DHCPにより割り当て)、IPv6(有効)」をクリックします。

ネットワーク接続ウィンドウが表示されます。「イーサネット」を右クリックします。

「イーサネット」アイコンを右クリックしプロパティをクリックします。

「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」をクリックします。ここでは、IPv4を使用しています。

「次のIPアドレスを使う」にチェックしします。IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、DNSサーバー欄に任意のアドレスを入力します。

OKボタンをクリックします。

Windows Server2022を最新状態にアップデート

「Windows Update」でOSバージョンを最新状態にします。OSが販売されてから、様々なアップデートがされていますので、まずはアップデートをします。

「Windows Update」画面が表示されるので、「更新プログラムのチェック」ボタンをクリックします。

自動でアップデートが実行されます。

正常にアップデートが終わり、「今すぐ再起動する」ボタンが表示されたら再起動します。

リモートデスクトップをインストール

リモート環境からアクセスできないと作業がしづらいので、リモート環境を整備します。インストール直後ではリモート環境が設定されていませんので、以下の手順で設定します。

サーバーマネージャーのダッシュボード欄からローカルサーバーをクリックします。リモートデスクトップの無効リンクをクリックします。

「このコンピュータへのリモート接続を許可する」にチェックします。

システムのプロパティ

リモートデスクトップのファイヤーウォールの例外は有効にされます。警告メッセージウィンドウを「OKボタン」をクリックします。

リモートデスクトップ接続

「OKボタン」をクリックします。

システムのプロパティ

これで他の端末からリモートデスクトップでアクセスすることができます。運用や保守メンテナンスするときは、基本的には自端末か保守専用端末から行うことが多いです。

ユーザーは「Administrator」でリモートデスクトップからアクセスすることができます。ただ、Administratorは管理者なので、セキュリティ的にはリモートログイン用のユーザーを作成して許可を与えるほうが好ましいです。