Windows使えるファイルシステムの解説

「Windows Server 2022」使用することができる、NTFS、FAT32、exFAT、CDFS、UDF、UTFS、ReFSファイルシステムの概要を記載しています。

NTFSとは

NTFS(NT File System)は、WindowsServerシリーズでは基本となるファイルシステムです。WindowsNT~Windows11及びすべてのWindowsServerシリーズで利用することができます。NFTSの特徴はそれまで使われていたFATファイルシステムと違い、ファイルやフォルダにアクセス権情報(ACL)を付加できるようになった点にあります。

どのユーザーがどのファイルやフォルダにアクセスできるか指定することができ、マルチユーザーシステムには必須の機能となっています。

NTFSにはいくつかのバージョンがあります。ファイルの所有権やアクセス権の管理、そのほかにディスク使用量の監視(ディスククォータ)、ボリュームにドライブ文字を付けずに、任意のフォルダにマウントして使用する「ドライブパス」など、機能が追加されるたびにバージョンが上がっていきました。

このため、新しいバージョンのWindowsで作成されたNTFSは、そのままでは古いバージョンのWindowsでアクセスできない、といったこともあります。

ファイルの入出力の際にファイルに加えた操作手順をファイルが保管されている別の場所に記録しておく「ロギング」機能があります。停電や予期しない障害でファイルの書き込みが中断しても、中断された層がどこまで正常に実行できたかわかります。

NTFSでは、ファイルを暗号化して記録する暗号化ファイルシステム(EFS)も使用できます。これにより暗号キーを知らない人はファイルを読み出すことができません。WindowsServer2022では、EFSとは別のディスク暗号化機能である「BitLocker」も使用できます。機能面では、「BitLocker」の方が優れています。

ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)と呼ばれる仕組みも利用できます。VSSを使えば、ファイルの削除や書き換えが発生した場合に、書き換えらえる前のデータを復元することや、ディスクの内容を瞬時にバックアップするスナップショット機能など便利な機能を利用できます。

ReFSとは

ReFS(Resilient File System)は「Windows Server 2022」で新しく取り入れられたファイルシステムです。Windows10・11でも利用することができます。

ReFSの特徴はNTFSの機能をそのまま引き継ぎより信頼性を高めています。ReFSでは、ファイル情報を保存する「メタデータ」領域にデータの正しさをチェックするためのデータ(チェックサムを)を持つことで、何らかの理由によってデータが破損した際に、これを自動的に検出し、必要に応じて修正する機能が搭載されました。「整合性ストリーム」と呼ばれるデータを持たせればメタデータだけではなく、ユーザーのデータに対しても整合性のチェックが行えます。

書き込み時のアルゴリズムが変更され、万が一書き込み時にディスクが電源が落ちたり、I/Oエラーが発生したりした場合であったも、データが失われにくくなる仕組みが取り入れられています。また、記録済みデータが実際に読み出せるのかどうかあらかじめ確認する処理が可能となり、ユーザーが気づかないうちに発生しているディスクエラーへの対処が強化されています。NTFSと比較して大容量のファイル、大容量のディスクへの対応が可能となり、「記憶域スペース」によって作成される仮想ディスクにも余裕をもって対応できます。ReFSは、NTFSに次ぐ「次世代」のファイルシステムとうい存在ですが、一方でNTFSと比べるとサポートしていない機能もあります。ユーザーごとにディスクの使用量を制限する「ディスククォータ」機能や、MS-DOSで使われいた「8+3形式」の短い名前のファイル名でアクセスする機能、圧縮ファイルの機能などをはじめとした、いくつかの機能は、ReFSでは使えません。

「Windows Server 2022」では、Hyper-Vで作成される仮想マシンや仮想ディスクを配置するためのボリュームのファイルシステムとしては、NTFSよりもReFSが推奨されています。

FAT(FAT16/FAT32)ファイルシステムとは

FAT(File Allocation Table)は、MS-DOS時代から現在まで使われている非常に汎用性の高いファイルシステムです。デジカメのメモリカードやメモリオーディオなど、Windows以外のシステム、フロッピーディスクUSBフラッシュメモリにも採用されています。

FATファイルシステムは、1つのファイルの最大容量が4GB(ギガバイト)までに制限されます。(Windows98以前のOSでは2GBが最大です)。FATファイルシステムは、「Windows Server 2012」以降のサーバーOSでは、ハードディスクを新たにフォーマットする際のファイルシステムとしては利用できなくなっています。

exFATファイルシステム

exFATファイルシステムは、「Windows VistaのService Pack1」以降で利用できる、リムーバブルメディア向けの新しファイルシステムです。FATファイルシステムを改良したものです。ファイルサイズやパーティションが最大で16EBという非常に大容量のメディアに対応できます。さらに大容量のファイルやデータを扱う場合でもアクセス速度が低下しづらくなるように工夫されています。

ただし従来のFATファイルシステムと互換はありません。このためexFATでフォーマットされたメディアは「Windows Server 2008」、「Windows vista」より前のWindows、Windows以外のOSやその他機器では利用することができません。

CDFS/UDFファイルシステム

CDFS(CD-ROM File System)やUDF(Universal Disk Format)は、CD-ROMやCD-R、DVD、Blu-rayなどの光ディスクで使用されるフォーマットです。「Windows Server 2022」では、CD-RやDVD-R/RWの書き込みにも標準で対応しています。