Photoshop 範囲選択の基本テクニック

画像の操作については全体に対して行うときもありますが、多くの場合は効果を及ぼす範囲を区切ってから行います。その区切る場合範囲選択を使用します。ここでは様々な範囲選択方法を解説しています。

選択範囲とは

部分的に補正したい時に使用します。選択範囲とは「長方形選択」ツール、「楕円形選択」ツールなどを使って選択をした範囲のことで、これらのツールを使って囲った範囲は、流れているような点滅する点線で囲まれます。この状態で色や明るさの変更をすると、選択をした範囲の中にだけ効果が及びます。つまり選択範囲とは、部分的な補正などを行うために専用のツールを使ってくくる範囲のことです。

長方形選択ツール

もっとも基本的な長方形選択ツールを解説します。ツールバーから長方形選択ツールを選択します。ツールを選択した状態で、選択したい範囲の左上から対角線の角の方向にドラッグします。

長方形選択ツール使用方法
長方形選択ツールで角から対角線を書くようにドラッグすると境界線ができます。

選択範囲をどのように利用するかは自由です。別のカラーで塗りつぶすのもよし、色調補正やフィルターの多くのツールで、選択範囲内に効果をかけることもできます。

選択されている状態で色相を180度変えると、選択範囲内の色が変わります。

選択範囲の移動

選択範囲の内にマウスカーソルを移動させると、下記の画像のようにカーソルが変化します。その状態で、ドラッグすると選択範囲を移動することができます。

移動前

移動後

楕円形選択ツールの使い方

「楕円形選択」ツールは、ツールパネルから選ぶか、ショートカットキーのMを使用します。マウスを斜めにドラッグすると、ドラッグした内側に楕円形ができます。それが選択範囲の境界線になります。ただの楕円の選択範囲の場合は、用途は限られますが境界にぼかしをつけると用途は広がってきます。たとえば写真を部分的に明るくするなど。

きちんと選択したい場合は、外接する長方形がわかるガイドラインを先に引いてしまうやり方もあります。

正方形、正円に選択する方法

長方形選択ツールを選択してドラッグする際に、shiftキーを押すと、長方形は正方形になります。つまり縦横の長さが揃います。同様に「楕円形選択」ツールを使う際にshiftキーを併用すると、真ん丸になります。

長方形選択ツールを使用する際に同時にshiftキーを押して、正方形の選択範囲を作成
楕円形選択ツールを使用する際に同時にshiftキーを押して、正円の選択範囲を作成

中心から選択する方法

長方形選択ツールでは斜めにドラッグするとその始点と終点の間に長方形ができますが、ドラッグする際に、altキーを押すと始点を中心として長方形ができます。これは楕円形選択ツールも同様です。中心からの選択の方がやりやすい場合に使用します。

中心から選択する方法

選択範囲時のオプション

オプションバーの使い方

ツールパネルにある選択ツールを選ぶと、オプションバーでそのツールをしよする際の細かい設定ができるようになります。たとえば下の画面は長方形選択ツールを選んだ際のオプションバーの状態です。

❶4つのボタンを使い分けて、選択範囲の足し引きをします。左から「新規選択」、「現在の選択範囲に追加」、「現在の選択範囲から一部削除」、「現在の選択範囲との共通範囲」です。

❷「ぼかし」は選択範囲の境界をぼかすときに数値を入力します。

➌「アンチエイリアス」は選択範囲の境界のギザギザを減らして滑らかにします。

❹「スタイル」で、選択範囲を制約できます。「標準」のほかに「縦横比を固定」、「固定」があり「幅」と「高さ」で比率あるいは実際の数値で指定が可能です。

選択範囲の追加、削除

最初に選択した範囲に対して別の選択範囲を追加したり、あるいはその一部を削除したりという操作が可能です。複雑な選択範囲もこの方法を利用することにより、効率よく作成できるようになります。「長方形選択」ツールや「楕円形選択」ツールなどを選んで表示されるオプションバーの左側の「新規選択」、「選択範囲に追加」、「現在の選択範囲から一部削除」、「現在の選択範囲との共通範囲」の中からクリックするかショートカットキーを使う方法があります。

❶初期設定の「新規選択」を使い「楕円形選択」ツールで円の選択をした状態です。

❷「選択範囲に追加」を使い四角い選択範囲をプラスしました。2つの選択範囲が合体した形になります。「新規選択」のままShiftキーを押しながらドラッグしても可能です。

➌「❷」と同じ四角い選択範囲を「現在の選択範囲から一部削除」を使ってマイナスした状態です。「新規選択」のままAltキーを押しながらドラッグしても可能です。

❹「現在の選択範囲との共通範囲」を使い、丸井選択範囲と四角い選択範囲の共通の部分だけを生かしました。「新規選択」のままShift+Altキーを押しながらドラックしても可能です。

選択範囲の境界をぼかす

オプションの「ぼかし」を利用する。選択ツールを使って選択範囲を作成する際、その境界部分をかっちりさせずにぼかすことができます。たとえば、楕円形選択ツールを選ぶとオプションバーに「ぼかし」の欄ができるので、ここに数値を入力します。単位はピクセルですが、どの程度の数値にすればいいのかわかりづらい場合は、「環境設定」の「単位・定規」で「定規」の単位を「pixel」にし定規を表示します。

境界線のぼかし
ぼかし0ピクセル
選択範囲の境界に対して「ぼかし」を「0」pixelに設定
ぼかしあり
選択範囲の境界に対して「ぼかし」を「30」pixelに設定。かなり境界がぼけていますが、これは画像が小さいためで、大きな画像で同様の効果にするには数値をもっと大きく設定します。

アンチエイリアス

画像は真四角なピクセルからなりたっているため、斜めや曲線の境界部分にはどうしてもギザギザのジャギーが発生しやすくなります。これを目立たせなくするのが、オプションバーの「アンチエイリアス」です。逆にカチッとした境界にしたい場合は、アンチエイリアスチェックを外します。

アンチエイリアス
アンチエイリアスは長方形選択ツールの一行選択と一列選択では有効になりません。
アンチエイリアスあり
アンチエイリアスをチェックした場合、境界線に中間的な明るさのピクセルができて、ジャギーが目立たなくなっています。
アンチエイリアスなし
アンチエイリアスのチェックを外した場合、コントラストがはっきりして、ジャギーが目立ちます。

選択範囲のスタイル

長方形選択ツールや楕円形選択ツールでは、通常の選択方法のほかに、縦横比を固定したり、サイズそのものを固定することができます。オプションバーの「スタイル」で「縦横比を固定」を選ぶと「幅」と「高さ」の比率を入力することができるようになるので、ここに任意の値を入れます。あとは、通常の選択方法と同様にドラッグで選択をします。

縦横比の設定が可能

「縦横比を固定」を選択して、縦と横の比率を入力します。
高さと幅を入れ替えます。ボタンのクリックにより、縦と横の数値の入れ替えができる。

縦と横を指定して選択範囲を行う

固定では選択範囲をサイズで指定できます。初期設定は「px」(ピクセル)ですが、「mm」など別の単位で入力をして指定することも可能です。つまり、スタイルの「固定」は、サイズを数値で指定して選択を行う機能のことです。

範囲選択した状態でメニューの「イメージ」→「切り抜き」を選ぶと、そのまま切り抜きをすることができます。切り抜き自体は「切り抜き」ツールでも可能です。

すなりん

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