Photoshop グラデーションとパターン

グラデーションやパターンは、オリジナルで登録することができ、背景を塗りつぶしたり、画像の上にグラデーションやパターンを重ねた画像を作成することができます。

グラデーションの描画

2色以上の色相が変化するグラデーションは、「グラデーション」ツールを使用します。描画色と背景色を基本として、グラデーションの色数や形状を変更するなど、さまざまな表現ができます。

使い方

描画色から背景色のグラデーション

描画色から背景色に変化するグラデーションを作成します。もっとも基本的なグラデーションの描き方です。

1、「グラデーション」ツール(❶)を選択し、描画色と背景色を設定します(❷)。オプションバーでグラデーションのサムネール右側の「▼」ボタン「クリックでグラデーションピッカーを開く」(➌)をクリックして「グラデーションピッカー」を表示し、「描画色から背景色へ」(❹)を選択します。形状は「線形グラデーション」(❺)を選びます。

グラデーションツール

2、画面を下から上にドラッグします。Shiftキーを押すとグラデーションが垂直に描けます。ドラッグした方向に描画色から背景色へのグラデーションが描画されます。

グラデーションでドラッグ

描画色から透明になるグラデーション

グラデーションピッカーで「描画色から透明」を選択すると、描画色から背景にある画像が徐々に見えてくるグラデーションを作成できます。

1、「描画色から背景色へ」のグラデーションを描いた場合はCtrl+Zキーで取り消します。「クリックでグラデーションピッカーを開く」(❶)をクリックして「グラデーション」を表示し、「描画色から透明に」(❷)を選択します。

グラデーション透明

2、画面を下から上へドラッグすると描画色から透明のグラデーションが描かれ、背景の画像が徐々に見える画像になります。

グラデーション

グラデーションの形状

「グラデーション」ツールのオプションバーには、5種類の形状のグラデーションが用意されています。描画の際にクリックして選択します。

グラデーション形状

❶「線形グラデーション」

基本形のグラデーション。始点から終点に向かって直線的に変わるグラデーションを作成します。

線形グラデーション

❷「円形グラデーション」

始点から終点に向かって同心円状のグラデーションを作成します。

円形グラデーション

➌「円錐形グラデーション」

始点の周囲で反時計回りに円錐状のグラデーションを作成します。

円錐形グラデーション

❹「反射形グラデーション」

始点を中心に同じ線形グラデーションを左右に反射させます。

反射形グラデーション

❺「菱形グラデーション」

中心から四隅に向かって菱形のグラデーションを作成します。

菱形グラデーション

「グラデーション」ツールのオプションバー

グラデーションで描画する前に、オプションバーでさまざまな設定を行うことができます。

グラデーションツールオプションバー

❶「クリックでグラデーションピッカーを開く」

クリックすると、「グラデーションピッカー」が表示されます。登録されているグラデーションのプリセットが表示され、クリックで選択できます。

❷グラデーションの形状を設定します。

➌「逆方向」

チェックを入れると、グラデーションの順序が逆になります。「描画色から背景色に」の場合は背景色から描画色に描かれます。

❹「ディザ」

チェックを入れると、ムラの少ない滑らかなブレンドになります。

パターンの描画

標準のパターンではなく、画像の一部をパターンとして登録し描画することもできます。

パターン登録と利用

オリジナルパターンを登録する

画像の一部を短形の選択範囲で指定して、パターンとして定義します。

1、パターンにしたい部分を「長方形選択」ツール(❶)でドラッグして、短形の選択範囲を作成します(❷)。「編集」メニューの「パターン定義」(➌)を選択します。

パターン登録

2、「パターン名」ダイアログボックスが表示されます。任意で名前を入力して「OK」ボタンをクリックすると、パターンとして定義されます。

パターン名

パターンのプリセット

パターンもグラデーションと同じように初期設定以外のプリセットを選んで追加できます。「パターンピッカー」のピッカーメニューをクリックして読み込みたいプリセット名を選択します。また、メニューから「パターンを初期化」や「パターンを保存」も同じようにできます。

オリジナルのパターンで塗りつぶす

塗りつぶしにはさまざまな方法がありますが、ここでは「塗りつぶし」ツールを使用して、背景をパターンで塗りつぶします。

1、「塗りつぶし」ツール(❶)を選択し、オプションバーの「塗りつぶし領域のソースを設定」を「パターン」(❷)に設定します。パターンのサムネール(➌)をクリックします。「パターンピッカー」が表示されますので、登録したパターンを選択します(❹)。

オリジナルパターンで登録

2、画面上をクリックするとパターンで塗りつぶされます。

パターンで塗りつぶす
新規ファイルをRGBモードで作成して塗りつぶしています。

パターンを利用できる機能

パターンを定義し登録すると、次のような機能でパターンを使用することができます。

塗りつぶし

「編集」メニューから「塗りつぶし」を選択すると、「塗りつぶし」ダイアログボックスが表示されます。「使用」で「パターン」を選び、「カスタムパターン」で登録したパターンを選びます。

塗りつぶし

パスの塗りつぶし

「パス」パネルで作成したパスを選択肢(❶)、パネルメニュー(❷)の「パスの塗りつぶし」を選択します(➌)。「パスの塗りつぶし」ダイアログボックスが表示されますので、「使用」で「パターン」を選び、「カスタムパターン」で登録したパターンを選びます。

パスの塗りつぶし
パス塗りつぶし

レイヤー効果

レイヤーを選択し、「レイヤー」パネルの「レイヤースタイルの追加」ボタン(❶)をクリックし、「レイヤー効果」(❷)を選択して「レイヤースタイル」ダイアログボックスを表示します。左のスタイルで「テクスチャ」、「パターンオーバーレイ」を選択するとパターンが使用できます。

レイヤー効果
レイヤースタイル
「ベベルとエンボス」の「テクスチャ」の設定で「エレメント」の「パターン」
レイヤースタイル
「パターンオーバレイ」の「パターン」

「パターンスタンプ」ツールで描画

「パターンスタンプ」ツール(❶)で、登録したパターンを使用して描画することができます。オプションバーでブラシの「直径」や「硬さ」(❷)などを選択し、パターンのサムネール(➌)をクリックして「パターンピッカー」から登録したパターンを選択します(❹)。

パターンスタンプ
画面上をドラッグするとパターンが描画されます。

グラデーションで写真を補正する

グラデーションはそのままデザインとして利用できますが、写真の補正や加工に利用して、効果的に演出する要素としても使えます。

新規グラデーションレイヤーを作成する

被写体に露出が合った結果、空が白っぽくなってしまう写真はよくあります。そんなときは、青いグラデーションで手軽に補正することができます。

グラデーションで写真補正

1、「レイヤー」メニューから「新規塗りつぶしレイヤー」→「グラデーション」を選択します。「新規レイヤー」ダイアログボックスが表示されるので、レイヤー名は「グラデーション2」にして「OK」をクリックします。

新規塗りつぶしレイヤー

2、「グラデーションで塗りつぶし」ダイアログボックスが表示されます。「グラデーション」のサムネールをクリックしてグラデーションを編集します。

グラデーションで塗りつぶし

3、「グラデーションエディター」で、開始の「カラー分岐点」は白、終了の「カラー分岐点」は空の青に設定します。それぞれダブルクリックしてカラーピッカーで指定します。

グラデーションエディター
ここでは空の青は、Rを「152」、Gを「216」、Bを「248」に設定します。不透明はどちらも「100%」にしておきます。

4、開始の「カラー分岐点」を右にドラッグして20%の位置にします。

グラデーションエディター

5、「グラデーションで塗りつぶし」ダイアログボックスに戻りますので、「OK」をクリックします。画面が青と白のグラデーションで塗りつぶされます。

グラデーション塗りつぶし

レイヤーの描画モードと不透明度を変更する

「レイヤー」パネルに「グラデーション2」レイヤーが追加されるので、クリックで選択して「描画モード」を「比較(暗)」に変更します。明るい空の部分だけ「グラデーション2」の画像が表示されます。「不透明度」で色の濃さを調整します。ここでは「80%」します。

レイヤーの描画モード

比較(暗)
レイヤーの「描画モード」の「比較(暗)」は、重なっているレイヤーの明度の低いほうのピクセルが表示されます。この場合は、写真の室内は暗いので背面の「背景」が見えるようになります。写真の空は明るいので、それより暗い前面のグラデーションのほうがみえるようになります。

すなりん

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