Photoshop レイヤーの基本操作
レイヤーとは「層」のことで、同じ平面に何枚もの透明な層を重ねたように画像を管理できる機能です。レイヤーに分けることで画像の管理と編集が楽になり、効果を使い分けて表現の幅が広がります。
レイヤーとは
レイヤーとは層や積み重ねという意味があり、1つのファイルの中に画像を重ねて保存することができる機能です。また、画像だけではなくテキストやパスなどもレイヤーとして扱うことが可能です。
レイヤーの仕組み
Photoshop のレイヤーの仕組みとしては、まず「背景」と「レイヤー」の区別があります。通常、写真などのピクセル画像を開くと背景のみの画像として展開されます。そして、その上にレイヤーを重ねていくことができます。下の画像は3つのレイヤーから構成されています。一番下が黄色い背景。2番目は赤い帯状の画像。そして一番上にはテキストレイヤーがあります。2番目のレイヤーの上野部分は透明、また文字の周りの透明なので、背景の黄色い地が見えているという状態です。
右はレイヤーパネルですが、画像が重なるのと同じように順番に重なっていることが確認できます。つまりこういった画像を作成する場合、まず頭の中で順番を考えて、レイヤーとして重ねていけばいいということになります。画像の合成などではレイヤーの重ね方が重要になってきます。
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対象とするレイヤーを選択した上で操作します。
レイヤーパネルとパネルメニュー
一番使うレイヤーパネル
レイヤーの扱いの基本はレイヤーパネルから行います。レイヤをドラッグしてレイヤーの順番を変更したり、個々のレイヤーの表示/非表示の切り替えなど、様々な操作が直接行えます。パネル下部からは新規レイヤーを作成したり、削除したりといった操作が可能です。
さらに詳細な設定はパネルの右上のボタンをクリックしてパネルメニューを表示させます。たとえば複数レイヤーをまとめてグループ化したり、レイヤーを統合したりという操作が行えます。
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- ❶レイヤーをリンク
- ❷レイヤースタイルを追加
- ➌レイヤーマスクを追加
- ❹塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成
- ❺新規グループ作成
- ❻新規レイヤーを作成
- ❼レイヤーを削除
さまざまなレイヤーの種類
画像編集のやり直しが可能になる
デジタルカメラで撮影した画像はピクセルで構成されるので「ピクセルレイヤー」として扱います。このほかにもベクトル形式のシェイプを扱うことができる「シェイプレイヤー」や、テキストを書体やサイズをなどの属性を保ったまま扱える「テキストレイヤー」、色べたの「塗りつぶしレイヤー」、グラデーションの「グラデーションレイヤー」などさまざまななレイヤーの種類があります。
また画像補正で便利なのが、「調整レイヤー」です。「トーンカーブ」や「色相・彩度」などの色調補正をレイヤーとして保持することができます。「調整レイヤー」はダブルクリックでその色調補正を表示することができ、何度も補正し直すことができるメリットがあります。
背景をレイヤーに変更する方法
画像をPhotoshop で開いた段階だと、レイヤーパネルに背景とだけ表示されます。背景の場合は、レイヤー状態ではないと使用できない機能が使えません(レイヤーマスクや変形等)。そのような場合は、背景をレイヤーに変更することで使用することができます。
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「背景」やレイヤーを複製する
「背景」やレイヤーをコピーして使いたい場面はよくあります。そんなときは「背景」またはレイヤーを「新規レイヤー」ボタンにドラッグ&ドロップしましょう。簡単に複製することができます。
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レイヤーの移動
レイヤーは重なりの順番を簡単に変更することができます。右の例は、赤い帯の画像「レイヤー1」がテキストレイヤーよりも上にあるため文字が半分隠れています。このような場合委はレイヤー1を掴んで、テキストレイヤーの下にドラッグします。文字が見えるようになります。
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新規レイヤーの作成
何もなければ透明になる
「新規レイヤー」はレイヤーを作成したい位置の下(背面)のレイヤーを選択した状態で、メニューの「レイヤー」から「新規」→「新規レイヤー」をクリックします。
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「新規レイヤー」ダイアログボックスが表示されます。レイヤー名を入力して(➌)OKボタン(❺)をクリックします。また、レイヤー名は後から変更することができます。
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べた塗りのレイヤーを作成する
メニューの「レイヤー」の「新規塗りつぶしレイヤー」では、色やパターンでの塗りつぶしたレイヤーの作成が可能です。「べた塗り」「グラデーション」「パターン選択」の3つが選べます。
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「新規レイヤー」ダイアログボックスが表示されるので❶、「OK」をクリックします。そのあと、「べた塗り」の場合は、表示されたカラーピッカーで塗りの色を決めます。必要に応じて「不透明度」や「描画モード」の調整をします。
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レイヤを結合する
レイヤーを整理する
作業しているとレイヤーがどんどん増えていきます。分けている意味のないレイヤーを結合して整理することができます。結合方法には以下の方法があります。
「レイヤーを結合」
レイヤーを複数選択している状態でこの「レイヤーを結合」を行うと、選択しているレイヤーのみが結合します。
「表示レイヤーを結合」
「レイヤー」パネルの各レイヤーの左にある目の形のアイコンで表示/非表示を行い、表示されているレイヤーのみを結合します。
「画像を統合」
すべてのレイヤーを結合して、背景にします。
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レイヤーをロックする
部分的なロックが可能
レイヤーにはロックする機能がついています。作業を終えたレイヤーに対して不用意に触ってしまわないようにすることができます。ロックのかかったレイヤーは削除もできなくなります。
操作は、「レイヤーパネル」の「ロック」で行います。ロックしたいレイヤーを選択した状態で4つのボタンのいずれかをクリックします。すべてをロックする以外に、レイヤーのピクセルをペイントツールで編集できなくなる「画像ピクセルをロック」など、4つの選択肢があります。
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- ❶「透明ピクセルをロック」レイヤーの不透明部分だけが編集可能になります。
- ❷「画像ピクセルをロック」レイヤーのピクセルをペイントツールで編集できなくなります。
- ➌「位置をロック」レイヤーのピクセルを移動できなくなります。
- ❹アートボードやフレーム内外へ自動ネストしない
- ❺「すべてをロック」レイヤー自体をロックします。
レイヤーをグループにする
フォルダを使った管理ができる
レイヤーを整理しながら使いこなすための機能に「グループ」があります。複数のレイヤーを1つのフォルダに入れて管理することができます。たとえば合成を行う場合にパーツに分けた素材をそれぞれフォルダに入れて管理したり、同じ画像の補正のバリエーションをフォルダごとに作ったり、様々な使い方ができます。また、「描画モード」や「透明度」を一括して適用できるというメリットがあります。「レイヤー」パネルでグループにしたいレイヤーをShiftキー+クリックで複数選択して(❶)、「新規グループを作成」ボタンにドラッグするか(❷)、「レイヤー」パネルメニューの「レイヤーからの新規グループ」を選びます(➌)。または、新規グループを作って、そのフォルダの中にグループにしたいレイヤーをドラッグして収める方法があります。
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レイヤーをリンクする
移動や整列に使える
レイヤーはリンクさせることにより、一体化させて扱うことができます。たとえば複数のレイヤーをリンクさせた場合は移動時にいっしょに動きます。「整列」を使って、リンクしたレイヤーをShiftキーを押しながらクリックした選択します(❶)。そのままレイヤーパネルの「レイヤーをリンク」ボタンまでドラッグするか(❷)、「レイヤー」パネルメニューから、「レイヤーからの新規グループ」を選択します。
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