Adobe Illustrator ライブペイントの解説
ライブペイントを活用する
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iilustratorの基本的なペイント方法では、2つのオブジェクトを分割して3つのオブジェクトにしなければなりません。
ライブペイントを使用した場合、2つのオブジェクトだけで、交差している部分の色を指定でき、位置も変えることができます。
ライブペイントは、パスで囲まれている領域を自由にペイントすることができる機能です。オブジェクト同士が交差して閉じた領域であれば、オブジェクトがなくてもペイントすることができます。ただし、Illustratorの他の機能を適用できなくなる場合もあるので、その際は、ライブペイントを拡張して通常のオブジェクトに戻す必要があります。
ライブペイントで塗りの色を適用する
1、「選択ツール」で鳥を選択します(オブジェクトに塗りが無い場合は、線をクリックします。)メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「作成」を選択すると、オブジェクトがライブペイントグループに変更されます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。続いて、「ライブペイントツール」を選択します。
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2、カラーパネルの塗りを「M=35%、Y=90%」にします。「ライブペイントツール」で鳥の胴体部分をクリックすると指定した色で塗りつぶされます。次に、カラーパネルの塗りを「M=100%、Y=100%」にします。鳥の羽の一部をクリックして塗りつぶします。
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3、カラーパネルの塗りを「C=90%」にします。残りの羽をクリックして塗りつぶします。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
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ライブペイントで線の色を適用する
1、「ライブペイントツール」をダブルクリックします。「ライブペイントオプション」ダイアログボックスが表示されますので、オプションの「線をペイント」にチェックを入れ、「OK」ボタンを押します。
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2、線パネルの線幅を「5」pt、カラーパネルの線を「C=50%、M=100%」にします。マウスポインタをオブジェクトの線に近づけると、ツール形状が(❶)に変化しますので、そのまま緑の線をプレスし、ドラッグします(線の塗りの適用はクリックでも行えます)。マウスボタンをはなすと、新しい線幅と線の色が適用されます。
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ペイント部分の選択
ライブペイントの選択は「ライブペイント選択ツール」を使用します。通常の「選択ツール」ではオブジェクトの選択となります。
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ライブペイントグループにパスを追加する
1、「直線ツール」を選択し、線パネルの線幅を、カラーパネルの線を「C=50%、M=100%」にします。円の中心部分へ重なるように直線を描画します。「選択ツール」でライブペイントグループと追加したパスを選択します。パスを追加するには、メニューから適用する場合と、レイヤーパネルから適用する場合の2つの方法があります。メニューから適用する場合は、メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「結合」を選択します。
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2、レイヤーパネルで適用する場合は、追加したパスの「選択中のアート」ボタンをプレスし、ライブペイントグループにドラッグします。マウスボタンをはなすと、パスがライブペイントグループに追加されます。
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グループ編集モードでパスを追加する
1、鳥を「選択ツール」でダブルクリックすると、ドキュメントウィンドウが「ライブペイントグループ編集モード」になり、グループ化されたオブジェクトのみ編集できるようになります。続いて、「直線ツール」を選択します。
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2、線パネルの線幅を「1」mm、カラーパネルの線を「C=50%、M=100%」にします。円の中心部分へ重なるように描画します。

3、描画が終了したら、ドキュメントウィンドウのオブジェクト以外をダブルクリックします。ドキュメントウィンドウは通常に戻り、パスがライブペイントグループに追加されました。

ライブペイントの隙間を設定する
1、「選択ツール」で円を選択します。メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「隙間オプション」を選択すると、「隙間オプション」ダイアログボックスが表示されます。「隙間の検出」にチェックを入れ、カスタムを「3」ptとします。
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2、プレビューにチェックを入れておくと、「隙間のプレビュー」が表示され、色を塗り分けることができる境界を確認することができます。「OK」ボタンを押して、隙間の設定を確定します。続いて、「ライブペイントツール」を選択し、カラーパネルの塗りを「C=10%、Y=100%」にします。鳥の頭をクリックして、色を適用します。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
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ライブペイントを拡張する
「選択ツール」で円を選択します。メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「拡張」を選択すると、通常のオブジェクトに変換されます。塗りの部分は色別にオブジェクトが作成されます。

ライブペイントを解除する
「選択ツール」で円を選択します。メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「解除」を選択すると、塗りと線の設定が無効化された、黒線のみの通常のオブジェクトに変換されます。
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