Adobe Illustrator 便利機能の複雑な形状を作成
- パスファインダーパネルを利用したオブジェクトの合成
- 基本的な合成の種類
- パスファインダー「形状モード」の適用方法による違い
- 複雑な形状を直感的に作成する
- パスファインダーパネルを使って合体する(通常のオブジェクト)
- パスファインダーパネルを使って合体する(複合シェイプ)
- パスファインダーパネルを使って穴を空ける(通常のオブジェクト)
- パスファインダーパネルを使って穴を空ける(複合シェイプ)
- 複合シェイプを拡張する
- 複合シェイプを解除する
- 複合パスで穴を開ける
- 複合パスを解除する
- 複合パスとは
- 複合シェイプとは
- パスファインダーパネルの機能一覧
- 合流
- 効果メニューの「パスファインダー」
- シェイプ形成ツールで合体する
- シェイプ形成ツールで穴を開ける
- シェイプ形成ツールで削る
- シェイプ形成ツールで分割する
- Shaperツールで合体する
- Shaperツールで穴を開ける
- Shaperツールで削る
- Shaper Groupを編集する
- Shaper Groupをライブペイントツールでカラー変更する
- Shaper Groupを解除する
- オブジェクトの分割・拡張
パスファインダーパネルを利用したオブジェクトの合成
基本的な合成の種類
パスファインダー「形状モード」の適用方法による違い
Illustratorを習得するポイントとして、ベジュ曲線の操作方法です。そして、その次に要となるのは、オブジェクトの合成です。オブジェクトの合成は、主に「合体・穴を開ける・削る・分割」の4つからなり、それらを利用した描画は、作業の手間を省くための手段としてかかせないものになります。パスファインダーパネルには、その4つを多機能にしたものが用意されており、複雑な形状を簡単に作成できるようになっています。パスファインダーパネルの「形状モード」は、適用方法によって2つの状態に分かれます。ひとつは、通常のオブジェクトとして適用される合成方法で、複数のオブジェクトは一体化され、再編集を行うことができなくなる「パス」になります。この場合、穴の空いたオブジェクトは、「複数パス」になります。もうひとつは、元のオブジェクトの形を残したまま、2つの状態は、アピアランスパネルやレイヤーパネルで確認することができます。
複雑な形状を直感的に作成する
「シェイプ形成ツール」を使用した合成
「Shaperツール」を使用した合成
パスファインダーパネルを利用したオブジェクトの合成は、複雑な形状になればなるほど、どのような順序で合成したら良いか判断に困る場合があります。
そこで、オブジェクトの合成をもっと直感的に行えるように用意された機能が、「シェイプ形成ツール」と「shaperツール」です。この2つのツールは、パスファインダーパネルを使用することなく、直感的にオブジェクトを合成することができます。
「シェイプ形成ツール」は、一体化された状態の「合体・穴を開ける・削る・分割」をマウスのクリックやドラッグで作成することができます。適用後は「パス」や「複合パス」になります。
「Shaperツール」は再編集可能な状態の「合体・穴を開ける・削る」をドラッグで作成することができます。適用後も元のオブジェクトが残っているので、何度でもやり直すことができます。「Shaperツール」で作成されたオブジェクトは「Shaper Group」となります。
パスファインダーパネルを使って合体する(通常のオブジェクト)
「選択ツール」で頭と耳だけを選択します。パスファインダーパネルの「合体(形状エリアに追加)」ボタンをクリックすると、頭と耳が合体されます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
パスファインダーパネルを使って合体する(複合シェイプ)
「選択ツール」で頭と耳だけを選択します。パスファインダーパネルの「合体(形状エリアに追加)」ボタンをAltキーを押しながらクリックすると、元とのオブジェクトを残したまま、頭と耳が合体されます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
パスファインダーパネルを使って穴を空ける(通常のオブジェクト)
「選択ツール」でドーナツの外側を選択し、Shiftキーを押しながら内側の楕円も選択します。パスファインダーパネルの形状モード「前面オブジェクトで型抜き」をCtrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
パスファインダーパネルを使って穴を空ける(複合シェイプ)
「選択ツール」でドーナツの外側を選択し、Shiftキーを押しながら内側の楕円も選択します。パスファインダーパネルの形状モード「前面オブジェクトで型抜き」をAltキーを押しながらクリックすると複合シェイプが作成され、前面の楕円によって穴が空きます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
複合シェイプを拡張する
「選択ツール」でドーナツの外側を選択します。パスファインダーパネルの「拡張」ボタンをクリックすると複合シェイプが複合パスに変換され1つのオブジェクトとなります。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
複合シェイプを解除する
「選択ツール」でドーナツの外側を選択します。パスファインダーパネルの「パネルメニュー」ボタンをクリックして、「複合シェイプを解除」を選択すると、複合シェイプが解除され穴がなくなります。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
複合パスで穴を開ける
「選択ツール」でドーナツの外側を選択し、Shiftキーを押しながら内側の楕円も選択します。メニューの「オブジェクト」→「複合パス」→「作成」を選択すると、複合パスが作成されて前面の楕円によって穴が空きます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
複合パスを解除する
「選択ツール」でドーナツの上側を選択します。メニューの「オブジェクト」→「複合パス」→「解除」を選択すると、複合パスが解除され穴がなくなります。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
複合パスとは
複合パスとは、複数のパスをひとつのパスとして扱うオブジェクトのことで、重なり部分が透明に表示されます。パスが重なる部分の透明・不透明は、属性パネルで変更することができます。
複合シェイプとは
複合シェイプとは、複数のオブジェクトを合成し、グループ化したオブジェクトのことです。合成は見た目上に適用されるので、再編集することが可能です。拡張することで一体化したオブジェクトに変換され、穴の開いた複合シェイプは複合パスとなります。
パスファインダーパネルの機能一覧
パスファインダーパネルには、「合体・穴を開ける・削る・分割」の基本的な合成に合わせて、用途ごとに特化した機能が数多く用意されています。
合体(形状エリアに追加)
オブジェクトを1つに結合します。
前面オブジェクトで型抜き(形状エリアから型抜き)
最背面のオブジェクトから前面のオブジェクトで型抜きします。
交差(形状エリアを交差)
重なり合う部分を表示します。
中マド(エリアを除外)
重なり合う部分が偶数の場合に透明になります。
分割
パスを境界として分割します。
刈り込み
重なって離れた部分を削除します。
合流
重なって隠れた部分を削除し、同一の塗りは合体します。
切り抜き
最前面のオブジェクトで背面のオブジェクト型抜きします。
アウトライン
交差する部分でオープンパスに分割し、塗りは「なし」、線は「0」になります。
背面オブジェクトで型抜き
最前面のオブジェクトから背面のオブジェクトで型抜きします。
トラップ
重なり合う境界にオブジェクトを作成し、オーバープリントを適用します。
効果メニューの「パスファインダー」
「パスファインダー」は効果メニューにも同様のものがあり、グループ、レイヤー、サブレイヤーに対して適用することができます。効果メニューの「パスファインダー」は見た目上に適用され、再編集が可能ですが、分割したパスやオブジェクトを個別に扱うには「アピアランスの分割」を適用する必要があります。
シェイプ形成ツールで合体する
1、「選択ツール」で、2つの円を選択します。「シェイプ形成ツール」をダブルクリックして、「シェイプ形成ツールオプション」ダイアログボックスが表示されます。オプションの「次のカラーを利用」を「オブジェクト」に変更します。
2、2つの円状で横線を引くようにプレス→ドラッグします。マウスボタンをはなすと、円が合体します。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
シェイプ形成ツールで穴を開ける
「選択ツール」でドーナツの外側を選択し、shiftキーを押しながら内側の楕円も選択します。「シェイプ形成ツール」を選択します。Altキーを押すとツール形状に変化しますので、そのまま、内側の楕円をクリックします。複合パスが作成され、穴が開きます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
シェイプ形成ツールで削る
「選択ツール」で、2つのオブジェクトを選択します。「シェイプ形成ツール」を選択します。Altキーを押すとツール形状に変化しますので、そのまま、削りたいオブジェクト上で横線を引くようにプレス→ドラッグします。マウスボタンをはなすと、パスの境界に応じてオブジェクトが削られます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
シェイプ形成ツールで分割する
「選択ツール」で、2つのオブジェクトを選択します。「シェイプ形成ツール」を選択し、分割したい領域をクリックすると、パスの境界に応じてオブジェクトが分割されます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
Shaperツールで合体する
「Shaperツール」を選択し、2つの円上をまたがるようにジグザグにプレス→ドラッグします。マウスボタンをはなすと、元のオブジェクトを残したまま、2つの円が合体されます。また、オブジェクトは、「Shaper Group」となります。
Shaperツールで穴を開ける
1、「選択ツール」で、背面にある布と皿を選択します。メニューの「オブジェクト」→「隠す」→「選択」を選択し、布と皿を非表示にします。次に、「Shaperツール」を選択します。
2、穴を開けたい領域をジグザグにプレス→ドラッグします。マウスボタンをはなすと、元のオブジェクトを残したまま、パスの境界に応じて穴が空きます。また、オブジェクトは、「Shaper Group」となります。メニューの「オブジェクト」→「すべてを表示」を選択して、非表示になっていたオブジェクトをすべて表示させます。
Shaperツールで削る
「Shaperツール」を選択し、削りたい領域をジグザグにプレス→ドラッグします。マウスボタンをはなすと、元のオブジェクトを残したまま、パスの境界に応じてオブジェクトが削られます。また、オブジェクトは、「Shaper Group」となります。
Shaper Groupを編集する
1、「Shaperツール」を選択し、顔クリックします。もう一度、顔をクリックすると「面の選択モード」となり、カラーの変更が行えるようになります。カラーパネルの塗りを「C=60」%にします。
2、耳の部分をダブルクリック、または線をクリックすると「設計モード」となり、オブジェクトの移動やカラーの変更が行えるようになります。カラーパネルの塗りを「C=85」%、「M=50」%にします。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
3、「ダイレクト選択ツール」を選択し、耳を選択します。続いて、「回転ツール」を選択して、時計回りに回転させます。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
Shaper Groupをライブペイントツールでカラー変更する
「ライブペイントツール」を選択し、カラーパネルの塗りを「C=60」%、線を「なし」にします。顔をクリックするとパスの境界に応じてカラーが変更されます。同様に、線のカラーも変更することができます。
Shaper Groupを解除する
「選択ツール」で、Shaper Groupを選択します。メニューの「オブジェクト」→「ライブペイント」→「解除」を選択すると、通常のオブジェクトに変換されます。ただし、オブジェクトの塗りは「なし」、線は「黒」の設定となります。Ctrl+shift+Aキーを押して選択を解除します。
オブジェクトの分割・拡張
複合シェイプ・ライブペイント・効果・ShaperGroupなどは、再編集可能な状態を保持するため、通常のオブジェクトとは異なる状態にあります。これら特殊なオブジェクトに、メニューの「オブジェクト」にある「分割・拡張」、「アピアランスの分割」、「透明部分を分割・統合」のいずれかを適用すると、通常のオブジェクトに変換することができます。ただし、変換されたオブジェクトは、見た目を保持するために、分割や線のアウトライン化、ラスタライズが適用され、再編集することができなくなります。