3DCGの用語集

モデリング

形状を作成する作業をモデリングと呼びます。現在の主要な3DCGソフトウェアでは、大きく分けてポリゴン(メッシュ)、カーブ、スカルプトの3種類のモデリング方法があります。

オブジェクト

Blenderについては、3Dシーンに存在するすべてをオブジェクトと呼びます。ただし、一般的には非常に広い意味を持ちます。

アクティブ要素(アクティブオブジェクト)

複数のオブジェクトを選択した場合、最後に選択した要素をアクティブ要素と呼びます。

メッシュ

Blenderではポリゴンの集まりをメッシュといいます。Blenderではポリゴンという言葉はあまり使用していません。Lightwaveではポリゴンという言葉を使用しています。

メッシュによるモデリング

ポリゴンで構成してモデリングを行う手法です。3DCGにおいて基本的なモデリング方法です

ポリゴン

多角形をポリゴンと言います。平面を作成するためには、最低3つの辺(三角形)が必要です。1つのポリゴンは「頂点」、「辺」、「面」から構成されます。通常ポリゴン数を数える場合は三角ポリゴンの数を数えます。

Nゴン

頂点が5つ以上のポリゴンです。人体モデリングでは特に四角ポリゴンが一般的です。5角以上のポリゴンには扱いやすさやポリゴン数が少なくて済むなどの多くの利点があります。

シェイプ

3Dモデルの形状を言います。Blenderの「シェイプキー」ではメッシュの頂点位置を変化させて形状を変形させることが可能です。表情を変化させるフェイシャルアニメーションなどに利用されます。

カーブ、サーフェス(ベジュ、ナーブス(NURBS))

ベクトルデータを利用したモデリング方法です。工業製品など滑らかな面を持つ立体モデリングなどに適しています。自由なテクスチャマッピングには適していませんで、カーブモデリングによりベースの立体物の作成を行った後にメッシュ(ポリゴン)への変換が行われることも一般的です。

スカルプトモデリング

スカルプトモデリングとはポリゴンデータをベースとした、彫刻を模したモデリング方法。感覚的なモデリングが可能で3Dプリンターなどで利用する造形物にも適している反面、ポリゴン数の増大や計画的なメッシュ設計を苦手とします。そのため利用する目的によっては、完成後のモデルに対してメッシュの再構築を行う「リダクション」や「リポジトリー」などの作業を行う必要があります。

メタボール

メタボールは3Dモデルの曲面を表す言葉です。メタボールによるモデリングはメタボール同士の引力などの作業を利用したモデリング手法です。液体のような滑らかな物体のモデリングに適しています。

マテリアル

3Dモデルにおける表面の質感です。プラスティック、金属、ゴム、肌などそのオブジェクトがどのような物体であるかを設定します。実際の見た目はマテリアルの設定とテクスチャによって決められます。Blenderの基本マテリアルの「プリンシプルBSDF」は物理ベースレンダリングを行い、作品の目的によってはフォトリアルや2Dアニメーション風(セルルック、トゥーンシェーディング)のレンダリングなど簡単に様々な質感設定が可能となっています。

テクスチャ

3Dモデルに貼り付ける画像または類するものです。テクスチャをマップとも呼び、オブジェクトに配置することをテクスチャマッピングまたは簡単にマッピングとも言います。テクスチャの多くの場合、画像データから作成されるイメージテクスチャを言いますが、演算により生成されるプロシージャルテクスチャもその範囲に含まれます。イメージテクスチャに利用される画像形式はpng、jpg、tiff、targaなど様々です。3Dモデルの見た目は最終的にマテリアルの質感設定とそのマテリアルで使用されているテクスチャによって決まります。テクスチャはマテリアルの設定項目の1つです。

例として、鉄の質感はメタリックやスペキュラー、粗さなどの設定で作成しますが、鉄の錆や傷はテクスチャを使用します。

UVとUV編集

UVとは3D空間上に平面座標を配置するための座標系です。立体物に画像(テクスチャ)を貼り付けるために利用する座標は横方向にU、縦方向にVを使用します。3DCGでは立体物の面にUV座標として展開しテクスチャのマッピング座標を利用します。思った位置に画像を配置するためのこの調整作業をUV編集(UV展開)といいます。

シーム

シームとは縫い目の意味で、テクスチャマッピングのためにUV展開する際の縫い目(カット)する境界の指定です

シャープ

「辺」の設定で「スムーズシェード」を設定した場合に部分的に鋭さ(シャープ)を残す場合の指定です。

クリース

クリースとは折り目の意味です。サブディビジョンサーフェス使用時に「辺」に対いて錯覚的に折り目を付ける機能です。

ライト

3DCG制作においてライトの設定は非常に重要です。古典的な三点照明などの手法も有用ですが、現在の3DCGソフトのライトは色温度の設定などリアルなライトの知識の利用も可能です。HDRI(High Dynamic Range Image:ハイダイナミックレンジ画像)などイメージベースドライティングによる明るさ情報を持つ背景画像の利用も欠かせません。

カメラ

Blenderのカメラは現実世界のカメラ同様の設定が可能です。

レンダリング

モデリングやテクスチャマッピングされた3Dデータをもとに画像を生成する処理をいいます。生成するソフトウェアをレンダリングエンジンまたはレンダラーと呼びます。

Workbench(ワークベンチ)

Blenderの3Dモデルを作成するための作業用の簡易レンダリングモードです。作業のためのレンダリングですので高速でリアルタイムの表示が可能です。

Eevee(イービー)

Blenderの物理ベースリアルタイムレンダラーでありCycles(サイクルズ)や他のソフトウェアの物理ベースレンダラーと基本的な互換性を持っています。高速でしかもCyclesと同様に扱えるのでリアルタイムでのレンダリングにはEeveeが最適です。簡易のライトや環境の映り込みなども標準で反映されているので、マテリアルの確認は便利です。

Cycles(サイクルズ)

高精細なレンダリング結果を得るためのBlenderの物理ベースレンダラーです。Eeveeではリアルタイムでの確認を行い最終的なレンダリング画像出力はCyclesで行うのが一般的です。Eeveeとは多くの設定で互換性がありますが、レンダリング速度を追求するEeveeでは面倒な設定もCyclesではより簡潔に設定することが可能です。

アーマチュア(スケルトン)

キャラクター制作において可動可能なモデルを作成するために設置する骨格を言います。アーマチュアはボーンから構成されています。アーマチュア(ボーン)を効率よく操作できるように添付したオブジェクトをリグと呼びます。

ウェイト

各ボーンがどの程度ポリゴンの頂点に影響を与えるのか設定します。キャラクターなどを作成しアーマチュアを設置した場合、どのボーンにどの頂点が影響されるかを設定することによって関節を曲げた時のメッシュの形状変化をコントロールします。ウェイトの調整作業をスキニング、スキンウェイト調整と呼びます。ブラシを利用して色で設定するウェイトペイントや数値設定があります。

分業化

ワークフローでも見られるように3DCG制作には多くの専門業務があります。一人ですべてをこなすスーパークリエーター(ゼネラリスト)も存在しますが、大きな制作会社ではより分業化が進んでいます。モデラー(モデリングをする人)、リガー(キャラクターのボーン、リグ設定者)、アニメーター(キャラクターなどに動きを付ける人)などあります。

シーン

Blenderにおけるシーンとは、レンダリング対象となるすべてのオブジェクトが含まれる最上位のグループの一種です。1つのファイルには最低1つ以上のシーンが存在します。

ワールド空間

3Dビューで表示されている3D空間です。ワールド空間の中心はグローバル座標の原点となります。

グローバルとローカル

3DCGソフトでは3次元の空間を扱うため、座標に対する考え方がいくつかあります。その中で代表的なものがグローバルとローカルです。グローバルはワールドの中心を原点と下固定したX軸、Y軸、X軸座標です。ローカルは各オブジェクトやオブジェクトを構成するポリゴンなどの位置や角度を基準にしたX軸、Y軸、X軸座標です

ジオメトリ

一般的には幾何学などの意味を持ちますが、ここでは座標を持った形状を言い、3D空間内に存在する個々の物を指します。オブジェクトは「物」といった抽象的なイメージですが、ジオメトリは3D空間内で座標を持ったより具体的な対象物を示します。

原点

初期状態では位置、回転、スケールの基準点となります。ジオメトリの中心点です。原点は黄色いドットとして表しています。

トポロジー

数学の一分野の名称ですが、3DCGのモデリングにおいてはポリゴンの流れ、分割、構成と言った意味になります。トポロジーがきれい、きたないなどの言い方をします。トポロジーがきたない場合の問題点としては、面でのしわの発生や可動部での意図しない変形などに現れます。

法線

ポリゴンの面には表面と裏面があります。法線とはポリゴン面(または線や頂点)に対して表方向に垂直に伸びる線です。法線によってポリゴンの向き(裏表)を判断することができます。

シェーダー

シェーダーとは画面上に3Dモデルを陰影表示するプログラムを言います。レンダリングにも似た概念ですがレンダリングはより広義な言葉でシェーダーはレンダリングに含まれる具体的な処理と言えます。

ピボットポイント

自由に移動可能な回転、拡縮など編集の中心座標となります。画面上には表示されておらずマニピュレーターが表示されている状態でその位置を見ることが可能です。Blenderではピボットポイントの位置を3Dカーソルや原点に設定することができます。

バウンディングボックス

バウンディングボックスとはオブジェクトが入る最小の箱をイメージする境界線です。Blenderのような3DCGソフトでは立方体として表示されます。

オイラー角とクォーターニオン角

3DCGソフトで使用される角度設定には2種類あります。オイラー角は通常私たちが目にして使用する角度設定です。オブジェクトの状態を3次元空間内でXYZ軸、360度の角度で管理し設定します。一方、クォータニオン角は方向ベクトル(傾いている方向)と回転角度で表す方向で、一般的には馴染みのない設定ですが、アニメーション設定時にはオイラー角利用で発生するジンバルロックの問題が起こりません、

ジンバルロック

XYZの三軸で制御する回転台(ジンバル)が特定の条件下でロックされ、制御できない状態をいいます。

デルタトランスフォーム

相対的なトランスフォーム(位置や角度など変更)設定です。例えば現在の位置よりも1m、X軸方向に移動させるなどアニメーションの設定には便利です。

コンポジション

Blenderのコンポジションは、AdobePhotoShopでおこなうような画像処理を複合的に組み合わせる機能です。3Dの設定に頼らずレンダリング画像にエフェクトや色調の補正を加えることができます。

パーティクル

3DCGにおけるパーティクルは細かい粒子、線、メッシュオブジェクトを発生させ炎、煙、雲、花火、髪を生成する手法です。パーティクルは発生元、生成から消滅までの時間、重力などの設定があります。髪の発生などはヘアと呼びパーティクルとは別の呼び名で表すこともあります。

ジオメトリノード

Blender2.92から導入されたノードの一種です。

地面の小石の表現などに代表されますが、小石以外にも花々、木々など特定のオブジェクトを特定の位置に配置する表現全般に利用可能です。

グリーンスペンシル

Blenderのグリーンスペンシルは3D空間内に自由に描画できる機能と考えれば良いでしょう。そのため、モデリングの下絵、正確なパースイラスト、3D絵コンテ、動画コンテ、2Dと3Dを融合したアニメーション表現など様々な用途に使用できます。

スクリプティング

プログラミング言語を利用して3DCGソフトウェアの動作(オブジェクト生成、トランスフォーム、各種設定)を制御することです。BlenderではPythonを利用しています

モンキー(スザンヌ)

映画に登場するオラウータンから名付けられたBlenderのテスト用モデルです。500ポリゴンのローポリゴンで作られています。

すなりん

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